2019-03-30から1日間の記事一覧
食定まらざる者に乱心多し。面貌に乱心の相あれども食正しく量定まれば発することなし。是故に乱心して憑物せし如く口ばしると雖も、それに頓着せず、日々三度の外に少しも飲食を与えず、厳重に食を定むること百日に至れば、おのづから治すべし。それ食は精…
身福ありといへども、金銀を粗末にとりあつかふものは、福有といふべからず。散財の人なればなり。それ金銀は天下融通の宝なるがゆゑに、一銭足らざるも、終に千貫の用に立つことあたはず。されば粗末に用ひるものは、たとひ金銀は消亡せざるも、おのが徳は…
若年より食を慎みて、おのれよりみづから欠きおく時は、老ひてかならず満つることあり。心あらん人は、平常の慎みを専一として、若年の徳を老年に延すべし。必定餓死の相ある老人といへども、三年食を慎みて、これを死禄にのばす時は、おのづから餓死を免が…
婦人大食なれば夫を剋し縁かはる。それ女子にして大食なるは、男子の食に代るものなり。故に気はげしくて夫を剋す。夫もし強ければ剋することあたはざるがゆゑに、縁かはるなり。小食にして夫を剋する女は、みな奸にして、夫をくるしむる悪女の類なり。 常に…
常に大食の者は、自分しかと治りがたし。貧者ならば次第に困窮す。相応の福ある人ならば家を損す。薄福のものならば死して棺なしと知るべし。初物を好み食ふものは、散財を司とり家を損す。(今思ふに、天地は物の生々を好む故、いまだ十分に熟せざるうちに…