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水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その7 修身実験録&意訳

身福ありといへども、金銀を粗末にとりあつかふものは、福有といふべからず。散財の人なればなり。それ金銀は天下融通の宝なるがゆゑに、一銭足らざるも、終に千貫の用に立つことあたはず。されば粗末に用ひるものは、たとひ金銀は消亡せざるも、おのが徳は日々に消亡して終には困窮に陥るべし。これに反して金銀を大切にとりあつかふものへは、自然とあつまり来て、終には福有の身となるべし。其は譬へば、人も大切に扱はるるかたへは、おのづから行きて親しみやすく、粗末に扱はるるかたへは、何となく心進まざるがゆゑに、たとひ行くとも長坐しがたきがごとし。人も物も一理萬理なり。よくよく心得おくべし。