断食・菜食・健康法などなど

断食・菜食・健康法の実践と関連書籍の案内

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その11 修身実験録&意訳

無用火(むだび)をたき、或は火を粗末にして踏み消し、また燈火の明るきを好みて、みだりに油をさすものあり。かくの如き人は生涯出世することなく、諸事調はざることをつかさどる。夫れ火は物を熟する要物なり。一日これを用ひざれば人命を養ひがたし。そ…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その10 修身実験録&意訳

一家の主はその家の守護神なり。家運尽くるといへども、食を厳重に定るときは亡ぶることなし。運尽きて家亡ぶるは、その主の奢るゆゑなり、それ食尽くれば禄おのづから尽く。このゆゑに家禄のために己が食を減じて天地へ遺すときは、禄おのづから延ぶるなり…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その9 修身実験録&意訳

人厄難の相ありといへども、常に食を奢らず、厳重に量を定るものは、かならず免がるることを得べし。わが食する内、半椀を減じて三年を経なば、短命は長命と変じ、貧者は福者と易はること疑なし。 世に常に大食しながら、次第に痩せるものあり。この類は食よ…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その8 修身実験録&意訳

食定まらざる者に乱心多し。面貌に乱心の相あれども食正しく量定まれば発することなし。是故に乱心して憑物せし如く口ばしると雖も、それに頓着せず、日々三度の外に少しも飲食を与えず、厳重に食を定むること百日に至れば、おのづから治すべし。それ食は精…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その7 修身実験録&意訳

身福ありといへども、金銀を粗末にとりあつかふものは、福有といふべからず。散財の人なればなり。それ金銀は天下融通の宝なるがゆゑに、一銭足らざるも、終に千貫の用に立つことあたはず。されば粗末に用ひるものは、たとひ金銀は消亡せざるも、おのが徳は…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その6 修身実験録&意訳

若年より食を慎みて、おのれよりみづから欠きおく時は、老ひてかならず満つることあり。心あらん人は、平常の慎みを専一として、若年の徳を老年に延すべし。必定餓死の相ある老人といへども、三年食を慎みて、これを死禄にのばす時は、おのづから餓死を免が…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その5 修身実験録&意訳

婦人大食なれば夫を剋し縁かはる。それ女子にして大食なるは、男子の食に代るものなり。故に気はげしくて夫を剋す。夫もし強ければ剋することあたはざるがゆゑに、縁かはるなり。小食にして夫を剋する女は、みな奸にして、夫をくるしむる悪女の類なり。 常に…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その4 修身実験録&意訳

常に大食の者は、自分しかと治りがたし。貧者ならば次第に困窮す。相応の福ある人ならば家を損す。薄福のものならば死して棺なしと知るべし。初物を好み食ふものは、散財を司とり家を損す。(今思ふに、天地は物の生々を好む故、いまだ十分に熟せざるうちに…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その3 修身実験録&意訳

但し左に著すところは常に身をおほくつかはぬ人に就いていふなり身を多くつかふ人は、その労働に応じて食の多少もあり。その体の大小強弱によりて量の分限もあるべし。されども若年にていまだ家を治めざる人は食を論ぜず。若年なれどもすでに家を治むるもの…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その2 修身実験録&意訳

修身実験録 一名・出世の直道 故人 水野南北 原著 梅巷女史 棚橋絢子 編輯 夫れ人の性命は食を以て本とす。仮令(たとひ)良薬を服すといへども、食をなさざれば性命を保つべからず。故にまことの良薬は食なりと知るべし。予数年観相を以て業とすといへども…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その1 修身実験録序&意訳

修身実験録序 良人曾て己れに語りけらく、水野南北は相者なれども、其の著はせる修身実験録は、世に有益の書にて、相者の秘訣は悉く飲食の慎みに在ることを、実験上より発明せる者なり。吾れ若き時病身なりしが、偶々其の書を読みて感ずる所あり。是に於て食…

水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その0 はじめに 著者 水野南北について

水野南北は、江戸時代(1760年~1834年)の観相学の大家である。 刃傷沙汰を繰り返して牢に入れられ、出牢後、観相者から死相が出ているといわれ、どうしようか悩み出家を願い出たところ、半年間、麦と大豆だけの生活を送れば弟子に取ると言われたため、藁を…