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水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その5 修身実験録&意訳

婦人大食なれば夫を剋し縁かはる。それ女子にして大食なるは、男子の食に代るものなり。故に気はげしくて夫を剋す。夫もし強ければ剋することあたはざるがゆゑに、縁かはるなり。小食にして夫を剋する女は、みな奸にして、夫をくるしむる悪女の類なり。

 

常に小食に定まりたるもの、病にかかりて、病みつきより食せざれば、たとひ脈血色はよろしくとも、かならず死す。この類は食禄すでに尽きて、命数のおのづから亡ぶるものなり。故にさせる病困なし。

 

無病壮健の人といへども、若年の頃より美味を好みて、日々美食に飽けるものは、おほく老年に至りて腹を病みて食すること能わざるものあり。是れ常に食に奢りし報いなり。およそ満れば欠くるは天地自然の理なれば、若くして食に満つるものは、老て必ず欠く。幸にして家得財宝欠けざれば、子孫欠くると知るべし。