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水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その27 修身実験録&意訳(問答12)

問て曰く、

人に衣食住の三つあり。食だに慎むときは、衣食住家は華美なりといへども、その徳を損すまじきや。

 

答て曰く、

衣食住とも分限相応なるをもって吉とす。分限不相応に華美をつくすものは、表をかざる人なるが故に、内労おほし。これに反して分限よりひかへ目にするものは、その徳内に満つるゆゑに、外見は心労あるに似て、内心かへりて安し。又飲食を慎むほどのものは、その分限を知りて何事も華美を好まぬものなるゆゑに、衣食住の中食の慎みを以て本とす。夫れ食は内にありて陰なり。故に身分よりは麁(粗)なるを吉とす。衣と住とは外にありて陽なり。故に相応に美なるを吉とす。過ぎたるはすべて凶なりと知れ。