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水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その35 修身実験録&意訳(問答20)

問て曰く、

先生常に教へたまはく。肉を好みておほく食するものは、心濁ると。予はこれを食すれども、心濁らざるはいかに。

 

答て曰く、

かねて食量を定めたるものといへども、肉あれば食すすみて、思はず食べすごすものなり。これ心を濁すの本なり。恐れ慎むべし。これを恐れ慎みて多量にさへ食べざれば、肉を喰らふと雖(いへど)も、心濁るとなし。