水野南北 著 「修身実験録 一名・出世の直道」を読む その34 修身実験録&意訳(問答19)
問て曰く、
われ性質多病にして、常に食に味なし。いかがすれば食うまくなるべきや。
答て曰く、
これ性質の多病なるにあらず。宿食の病なり。腹中食気すすまざるがゆゑに味なきなり。さればつとめて食量を減じて三椀のものは二椀に、二椀のものは一椀にすべし。総じて病気は食よりおこるもの多かり。また曰く粥を食すること百日なれば、不食の病かならず治すべし。平生心をつつしめば、寒暑時気のあたりありといへども、三日臥すことなかるべし。